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映画「王になった男」徹底分析
掲載 : 2017.12.31
目次
映画の考証について
評論家、観客両方から好評だった映画でしたが、歴史学者と歴史マニアからは考証的な問題について非難の声もありました。小説を歴史ドキュメンタリーのような観点で見てはいけないという意見と衝突しています。歴史的な考証が足りなかったと指摘された部分
朝鮮時代の王妃が頭に乗せていた「加髢(가채)」が映画「王になった男」では出て来なった
| 映画内の間違い | 映画内の間違い | |
|---|---|---|
文字が読めたチョンミン | ||
| 文字が読めたチョンミン | 朝鮮時代一番下位階級だった「チョンミン(천민)」の主人公がハングルや漢字が読める設定には無理がある | |
王妃の年齢 | ||
| 王妃の年齢 | 映画は광해군が即位して8年目の話で王妃の年齢は40才のはずだが映画では若すぎる設定 | |
王妃の苗字 | ||
| 王妃の苗字 | 映画では「兪」になっているが実際には「柳」 | |
王妃の頭 | ||
| 王妃の頭 | もともと朝鮮時代の王妃は地位が示す「加髢(가채)」という一種の桂を使用したが、映画では使ってない | |
허균の地位 | ||
| 허균の地位 | 허균が광해군の相愛した家臣だったのは事実だが映画で官職「都承旨(도승지)」の地位まで登ったことがない | |
경성전の木 | ||
| 경성전の木 | 朝鮮時代には壁で囲まれた家(口)に木(木)が植えてあると「困」という文字になるということで庭に木を植えない伝統があったのに경성전に大きい木がある | |
ぜんざい | ||
| ぜんざい | 日本占領期、日本から挑戦に伝わったが映画に登場 | |
筒塩 | ||
| 筒塩 | 日本占領期から使いだしたものなのに映画に登場 | |
傘 | ||
| 傘 | 雨の日、傘の使用場面で出てこないが傘は古い時期から中国から伝わって使っていたものだ | |
映画は映画 VS 考証は基本
他にも限られた撮影場所での制限が理由だったか、映像美を強調するためだったのか、その意図は分かりませんが違う場所にあるソウル(서울)の「景福宮(경복궁/キョンボックン)」、「창덕궁」と全州(전주/チョンジュ)の「경기전」がまるで同じ場所にある1つ空間のように描かれています。それぞれの場所に詳しい人々にはとても不自然に見えるし、「歴史映画ならば徹底的な考証は基本の基本」と思い人もいるので不満の声もありました。しかし、海外の映画などでも映画的な部分のために実際の場所と違うとこで撮影することはよくあることで韓国人を含めてほとんどの観客は気付けないので映画そのものを楽しむことには影響がないという意見も多いです。
ソウル(서울)にある「창덕궁」
ソウル(서울)から車で数時間も離れている「全州(전주/チョンジュ)」にある「경기전」
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